<旭川~幌延>2022年春の自転車旅(その十四)43-45日目
2022年春のチャリキャンプひとり旅(その十四)
今回の旅レポは、旭川からひたすら北上して幌延という原発関連の研究施設で潤う町までの3日間です。
43日目は、旭川を出て小説で有名な塩狩峠を越え士別のキャンプ場まで
44日目は、強烈な向かい風の中、輪行も考えるも、頑張って音威子府のキャン場へ
45日目は、依然超アゲインストなので、80キロ先にある幌延のキャンプ場まで走ることを断念して、輪行を決意
【その十四の読みどころ】
① 旭川のマンホールにあったVASAとは…
② 世界一大雪山がきれいに見える町ピップとエレキバン
③ 三浦綾子の塩狩峠に感動するも…
④ 和寒ジンギスカンは良かったが和寒駅前のつたや食堂は…
⑤ 絵本の里剣淵町と映画じんじん
⑥ 士別の寒い夜に映える光景に感動
⑦ 名寄から輪行を考えるも…
⑧ 士別より更に寒かった天塩川温泉のキャンプ場
⑨ 軟弱だが朝から輪行を決めて豊富へ
⑩ ローカル線に鉄オタが…なんで?
⑪ 豊富の超肉厚かつ丼に超満足
⑫ 念願だった豊富の油温泉に入るも…
⑬ トナカイ牧場で幻のブルーポピーを見たかったのに…
●2022年6月6日(月) 43日目 晴れ 北風
【走行距離65km 獲得標高499m】
旭川→R40→比布→和寒→剣淵→士別
今日は、標高260mの塩狩峠を越えて、士別のキャンプ場まで北上する約60キロの旅。北風は今日も変わらず…。
ボリュームたっぷりのバランスの摂れた朝食を部屋で食べて、9時に旭川駅前広場でジャンプを決めて出発。
旭川駅前に来ると、なぜかいつも快晴!気持ちがいい。寒いので、長袖の服を着たが、走り始めると、すぐに暑くなったので、脱ぐ。石狩川の支流、
牛朱別川を渡る手前で見つけたマンホールの絵が洒落ているので撮るも、「VASA」の意味がわからない。
調べると、このデザインは毎冬、旭川で開催されるクロスカントリーレース「バーサロベットジャパン」のシンボルマークで、「VASA」とは、スウェーデンの有名な戦艦名らしい。17世紀に建造された海軍の帆船で、なんと処女航海で風に煽られてすぐに転覆沈没してしまった鈍くさい戦艦だが、20世紀になってから、ほぼ原形を残して海底から引き揚げられ、ストックホルムの博物館に展示されている。当時の木造帆船が原形のまま残っているのがレアなので、貴重なモノらしい。
旭川出身のロシア人プロ野球投手として、主に巨人で活躍したスタルヒンの名が付いた球場を通り過ぎると、また、陸上自衛隊の駐屯地があり、門前には銃を持った自衛官が立っている。
ここから稚内まで248キロの標識があり、四日後に無事、稚内へ着けることを願う。
比布(ぴっぷ)の町に入り、国道を避けられる農道を走っていると、喉かな田園風景の向こうに大雪山系が望める。
今日一のショットかな。その大雪山から生まれる雪解け水だろうか、用水路に豊富な農業用水が怖いくらい勢いよく流れている。
ピップと云えば、ピップエレキバンを連想するが、直接関係はないものの、80年代に、ピップエレキバンのCMロケ地として、比布駅などが放映されたことにより、比布町が全国に知れ渡ることになる。
リフトの支柱を使った比布町の宣伝垂れ幕には、「世界一大雪山がきれいに見える町」と書いてあり、確かに、さっき、田園から見えた大雪山は雄大で綺麗に見えた気がする。国道40号線に戻り、三浦綾子の小説で有名な塩狩峠を上っていると、大きな「道北ドライブマップ」の看板があり、ここから、内陸部を縦断して稚内まで行くルートがよくわかる。
峠のピークには、トマトとスキーの町、和寒(わっさむ)の絵があり、かわいい。
500mほど下ると、JR塩狩の駅があるので、寄ると、三浦綾子の塩狩峠記念館を発見。
「塩狩峠」という小説は、クリスチャンで鉄道員の主人公が塩狩峠の途中で、接続部が外れて暴走した客車を身を挺して止めたが殉職してしまったという実話に基づく悲しいお話だが、純粋だった中学生の頃、読んで感動した記憶がある。
なので、300円払ってでも、旧宅を活用した館に入館したかったが、なんと定休日で入れず、プチ残念…。和寒の町に入ると、「和寒ジンギスカン」のお店が目に入り、気になったので店内へ。
美味しそうな「ラム肩ロース肉」があったので、うちへ送ることにする。箱に余裕があるので、豚のホルモン、いももち、ラーメンなどを一緒に買い、生ものじゃないので、発送日は、筆者が神戸に戻る十日後にする。
和寒駅前で見つけた「つたや」という食堂に入り、850円のかつ丼を注文するも、味は普通だし、メシは少な目だし、大盛りに変更しようと思ったが、プラス150円と聞き、諦める。
かつ丼はイマイチだったが、この食堂の歴史を纏めた資料があり、読むと、波乱のお店だったことがわかり、イマイチのかつ丼は許すことにする。
和寒駅は勾配のきつい塩狩峠を越えるため、機関車増結や切り離しを行なうので、停車時間が長く、ここで駅弁の立ち売り販売を始めたのが大正15年。繁盛したが、初代の坂本孫一さんは道路横断中にトラックにはねられて亡くなり、二代目の幸作さんは、若くして急逝し、今は三代目の清子さんと四代目の広志さんが暖簾を守っているとのこと。これからも頑張って欲しいものだ。
絵本の里、剣淵町の道の駅に寄ると、大きなパネルがあり、ここを舞台にした「じんじん」という映画の俳優陣が写っている。中田喜子と離婚した大地康夫が、高校生になった一人娘と北海道で偶然再会するも、娘に当然拒否され、絵本コンクールのために制作した大地の絵本を娘が見て、父の思いに感動するストーリーらしい。
ブランド羊であるサフォークの町、士別町に入り、ホテル美し乃湯温泉に寄ってから、二年振りになる「つくも水郷公園キャンプ場」へ。
ここには、学生時代にお世話になった、想い出の「士別市サイクリングターミナル」があり、二年前は、ここのお風呂を利用したのだが、コロナの影響だろうか、閉鎖されていて、プチ悲し…。餃子入り麻婆豆腐を作って食べて、19時半頃、外へ出ると、幻想的な風景が!。
群青の碧さが残る空の地平線上はオレンジ色に染まり、トイレの緑色照明がアクセントに。大雪山も良かったが、これが今日のベストショット!。今日の最高気温は低めの15℃ぐらいだったが、走っていると、半袖短パンでも寒くはなく、汗も出ないので、丁度いい温度。夜は放射冷却現象により、5℃を切るも、テント内で、シュラフに包まれて、靴下、長袖にモンベルのズボンを身に付ければ寒くはなし。
【走行時間4:06 平均速度15.7km/h】
【本日の会計】¥12,245(みやげ代¥9,320含む)
【士別つくも水郷公園キャンプ場評価:45点】
公園の管理棟があるも、受付や予約不要で、もちろん利用は無料。全面フリーのサイトは広い芝生で、炊事場には屋根があり、東屋もある。ウオッシュトイレは管理棟にあり、充電や保冷剤も管理棟で頼めばできそうである。町中にあるので、日帰り温泉やコンビニ、ランドリーも近い。そういう意味では、ベスト3に入るキャンプ場である。
●2022年6月7日(火) 44日目 晴れ 北風
【走行距離72km 獲得標高414m】
士別→R40→名寄→美深→天塩川温泉
今日は、道北の大河、天塩(てしお)川沿いに基本下って、キャンプ場のある天塩川温泉まで約70キロの旅。天気は今日もいいが、強い向かい風が予想され、距離も長いので、ハードな日になりそうだ。世の中では、米国の利上げにより円安が進行して、七年振りに130円台を突破。銑鉄のコストは豪州などから輸入する鉄鉱石や石炭に連動するので、急激な円安は大変困るのだが、もう関係ないので、申し訳ないけど、早く辞めてホンマ良かった感の方が強い…。
寒いので、遅めの9時半に出発すると、すぐに天塩川に会う。
天塩岳を起点に全長256kmもあり、一年前に通った日本海に注ぐ河口から見える利尻富士が今も目に焼き付いている。強烈な向かい風を受けて、20キロ先にある、もち米とひまわりと夜空の町、名寄市の駅に着いたのは、2時間半後の12時。
このペースではキャンプ場へ着くのが遅くなりそうなので、名寄駅から輪行を考えて、時刻表を見るも、15時まで電車がない!。
仕方ないので、輪行は諦めて、頑張って走ることにする。幸い、名寄から横風になったので、ペースが上がり、周りを見る余裕が出てくる。
保温シートに小さい苗が植えてある畑は、間隔が空いているので、メロンだろうか、それともカボチャだろうか、気になるがわからず…。
牧草地では、大型重機が草を刈りながら同時にセンターへ集めている。一石二鳥である。美深(びふか)の町に入り、もう13時半なので、セコマのホットシェフコーナーで、作り立てのおにぎりを買って、行儀悪いが、立ち食い。
このお握りが一番美味いと云っていた苫小牧のT先輩を思い出す。本日4回目の天塩川を渡ると、上流側に残されている古い橋脚の土台を起点に広がる水しぶきが銀色に輝き、綺麗だ。
「道の駅びふか」の隣には、「びふかアイランド」と云うキャンプ場と5年ほど前に泊まったことのある美深温泉があり、そこには、蝦夷の地を廻り、「北海道」と云う地名を命名した松浦武四郎の碑もある。
美深から、また強烈な向かい風となったが、何とか、15時半過ぎ、音威子府(おといねっぷ)村にある天塩川温泉に着き、無料で予約不要なので、隣接のキャンプ場「リバーサイドパーク」へ。
高台にあり、ちょっと登らされたが、眺めのいいフラットな芝生サイトに満足しながら、炊事場の横に設営し、湯冷めしないよう、先に夕食のポトフを作ってから、温泉へ。
定番の煮込みジンギは、寒いと脂がすぐ固まってしまうので、温まるポトフがいい。18時にテントに入って、セコマで買った筆者一押しの「北海道産ポテトのフライ」と共にポトフを頂く。強い風は徐々に収まり、静かになったが、外気温はどんどん下がり、日付が変わる頃には、2℃になるも、テント内はまだ大丈夫。阪神は西の好投、大山のタイムリーで、ソフトバンクに2―0で何とか勝つも、円為替は、とうとう20年振りの133円まで下落…。
【走行時間4:37 平均速度15.6km/h】
【本日の会計】¥2,665
【天塩川リバーサイドパークキャンプ場評価:35点】
国道から天塩川まで少し下るが、温泉に近く、利用は無料、管理人がおらず、保冷剤、充電、ランドリーはNGだが、サイトや炊事場はきちんと管理されている。温泉とレストラン以外、近くに何もないので、連泊はしにくいが、一泊だけなら快適なキャンプ場である。
●2022年6月8日(水) 45日目 晴れ朝曇り 北東風
【走行距離21km 獲得標高118m】
天塩川温泉→JR→豊富→豊富温泉→幌延
昨夕から決めていたが、ここから今日のキャンプ場がある幌延まで80キロもあり、風向きは相変わらず北からで、昨日以上にハードなランになることが予想されるため、安全性を考慮して、今日は最寄駅からJR輪行することにする。9時前の列車に乗車するため、5時過ぎに起きて、カッコウの鳴き声が聞こえる中、早めの朝食。
風はないが曇っており、気温は5度。さすがの筆者も、長袖の上にゴアテックスの合羽を着て、完全防寒姿で他に誰もいない完ソロの中、8時に出発。
五分で天塩川温泉駅に着き、ホームで自転車を解体していると、特急列車が南からやって来る。
稚内行きの特急は、サロベツ号と宗谷号があるが、こんな早い時刻に走る特急は時刻表に載っていないので、新型車両の試運転だろうか。
そのあとに来た普通列車に乗り込むと、高そうなカメラをぶらさげている撮り鉄っぽいオタクが四人いるのみ。キャンプ場のある幌延には10時半頃に着いてしまうため、その先の豊富駅まで輪行して、例のかつ丼やと一年前に定休日で入れなかった油風呂の豊富温泉へ行くことにする。幌延駅で特急の通過待ちで20分以上停車するため、降りて駅舎内をぶらぶらしていると、「秘境駅の里ほろのべ」が目に入る。
幌延町にある七つの無人駅を、人里から離れていることから、秘境駅と呼び、鉄道ファンを呼び込む作戦のようだ。これで、四人も鉄オタがいた訳がわかり、腑が落ちる。その一つ、下沼駅に着くと、古い車両を転用した待合室があり、その窓には目が!何となく面白い。
話は戻り、幌延駅で待っている間、運転席のにーちゃんに「これから豊富温泉へ行くんです」と云うと、「あそこの温泉はメチャ熱いで」と云われ、熱いのは苦手なので、プチビビる。11時過ぎ、豊富駅に着き、車内で運賃を払って降りると、駅舎は階段の向こう側だが、このホームからでも外へ出られそうなので。そのままホームで組み立てて出発。
まず、向かったのが、一年前に見つけた超肉厚かつ丼の「丸勝亭」。お値段は1200円とお高めだが、このボリュームは素晴らしい。
名物めしなので、お客さんの半数ぐらいは、このかつ丼を頼んでいる。その割に、並ぶほどの人気がないのもいい。
店内にあった北海道の方言集を見ると、懐かしい方言が並んでいる。「めんこい」とか「しばれる」とか「こてんぱ」とか「おばんです」は、あの「北の国から」をきっかけにして、全国民に知れ渡った気がする。しかし、こうやって見ると、「…い」で終わる言葉が多いのがわかる。これはアイヌ語が語源になっているからだろう。かつ丼に超満足して、次に向かったのが、ここから30分ほどで行ける念願の「豊富温泉ふれあいセンター」。
火曜日が定休日だが、今日は水曜日なので大丈夫だ。早速中へ入ると、温泉は二カ所あり、「湯治客用の低温泉は38―39度、一般用は、41―42度です」と受付で云われたので、まずは低温泉の方へ。
温泉分析書を読むと、「淡黄色で石油臭」「泉温34℃」「泉質:含ヨウ素―ナトリウム―塩化物」とある。世界でも珍しい油分を含んだ温泉で、アトピー治癒効果があるので、中へ入ると、そのような方が数人浸かっている。強烈な石油臭がして、肌はヌルヌルするが、普通のナトリウム泉のようなヌルヌルとは違い、ベトベトする感じだ。一般用の温泉にも移って入ってみたが、JR運転手が言っていたような熱さじゃなく、逆にプチがっかり。湯面には油が浮いているし、アトピー体質でもないので、一度入ればもういいって感じで、プチ期待外れ…。ここから、幌延までは、一年前に通った道を逆走するのだが、途中の峠辺りにある「トナカイ牧場」へ、今回も寄ってみる。前回は暑かったせいか、トナカイさんたちは、みんな小屋の中にいたが、今回は、外を歩いていたので、いい写真が撮れる。
お花畑があり、筆者の好きなスズランや赤いケシの花は咲いているが、トナカイに並んで、ここの売りで、この時期にしか咲かない幻の青いケシと云われるブルーポピーが見当たらない。
手入れをしているお母さんに聞くと「最近みかけないねえ、今年は咲かないかも」と云われ、プチがっかり。売りのお花が咲かないなんて、騙された気分…。
建屋内の冷蔵庫に、新鮮そうなレタスが2個100円で売っているので買いたかったが、2個も要らないので諦める。一個50円にして欲しいわ!ホンマに。16時に、幌延の町中にある「ふるさとの森森林公園キャンプ場」に着くと、一年前に陣取った炊事場の近くは同じサイクリストの先約がいるので、やむなく、水場から離れた東屋の横に設営。
夕エッセンをしていると、林の方から「コ・コ・コ・コ・コ・コ・コ・コ・コ・コン」という心地よい木を叩くドラム音が聞こえてくる。天然記念物で絶滅危惧種に指定されているクマゲラは、道南地方が北限なので、姿は見えないが、小さめのアカゲラだろうか。18時にテントに潜り、シューマイ入り麻婆豆腐を食べながら、阪神の試合を観る。その阪神は、ソフトバンクに0―1で惜敗。絶好調の大山はもう終息を迎えたようで、ノーヒット…。
【走行時間1:17 平均速度16.3km/h】
【本日の会計】¥6,042(JR代¥2,320含む)
【幌延ふるさとの森森林公園キャンプ場評価:35点】
総合評価は、充電不可、ランドリーなし、ウオッシュなし、保冷剤不可なので、低めだが、料金は無料で、管理人がいないのに、トイレや炊事場は掃除が行き届いており、サイトも広い芝生面で、東屋や屋根付き炊事場もあるので、気持ちがいいキャンプ場である。
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