<奄美大島~加計呂麻島>2022年秋の自転車旅(その九)27-29日目

 2022年秋のチャリキャンプひとり旅(その九)

今回は、鹿児島県の奄美大島最南端からスタートし、加計呂麻島へ渡ってキャンプしたのち、

大島へ戻り、大島最大の町名瀬まで、三日間の旅です。


27日目は、ホノホシ海岸から山を越えてフェリーで加計呂麻島へ渡り北端のキャンプ場まで

28日目は、バスで港まで輪行してフェリーで大島へ戻り山を越えてお宿へ

29日目は、島の西海岸を北上して名瀬港まで


【その九の読みどころ】

海底のミステリーサークルに…

加計呂麻島に上陸するも過酷な道に…

ホノホシ海岸の時のように東屋にテントを張るも…メチャ怒られる

アマミノクロウサギらしき背中を見かける

奄美大島に戻りキタナシュランみたいなお店で…

ハードな坂に悩まされるも芙蓉というお花に癒される

全国旅行割のおかげで高いお宿に泊まれるも…車海老が

アマミノクロウサギがまた…

二頭の恐竜がキスしているように見える岩

奄美大島の綺麗な海とハブのワナ

車海老の養殖場があちこちに!

クーポン券を使って居酒屋で楽しく呑むも…フェリーターミナルで冷たい対応に…


●2022年10月25日(火) 27日目 曇り 北東風

【走行距離30km 獲得標高661m】

ホノホシ→古仁屋港→フェリー→加計呂麻島(瀬相港)→実久

 

今日は、加計呂麻島へ渡り、キャンプができる島の最北端、実久(さねく)海岸まで約30キロの旅だが、100m級の峠が三つと50m級のアップが五つもあるので、朝から気が重い。しかし、「加計呂麻島は一度行ってみるべき」と、どなたかに云われていたので、何があるのか楽しみな所もある。6時に起きて、朝食を作っていると、おねーさんが10人ほど東屋の前を通り、ホノホシ海岸の方へ。単なる観光じゃない雰囲気なので、何だろうと思っていたら、30分ほどで、一人のおねーちゃんが、ペットボトルなどが入ったごみ袋を持って車の方へ戻って行ったので、海岸清掃のためだと判明。しかし、他のねーちゃん達は結局戻って来ず、どこへ行ったのかわからず仕舞い…。

ハブ注意の近くに、「玉石の持ち出しダメ」の警告板があり、持ち出すと、罰金か科料が課せられるらしい。それでも、数個なら大丈夫と、持って帰る不届き者は絶対いるだろう。

フェリーに遅れるわけにいかないので、早めの8時半前に出発ジャンプを決めて、昨日下った激坂を上る。二つ目のピーク、マネン崎の展望台に寄ると、海底だろうか、サークル状に砂が二重に盛り上がったパネル写真があり、「アマミホシゾラフグ」と書いてある。

産卵のために、オスのフグがこのような形状を作り、真ん中にメスを呼んで産卵受精するとのこと。10年前までは、ミステリーサークルと云われ、こうなる原因がわからなかったらしい。

25分で着く「フェリーかけろま」に乗船し、11時前、加計呂麻島東側の丁度真ん中にある瀬相(せそう)と云う港に上陸する。

島の案内地図を見るとわかるが、島全体が岬と入り江を繰り返すリアス式的な地形で、自転車にとっては過酷そのものである。そして、今回走るのは、東側の中央部から海岸線に沿って北端の海岸までだ。距離は16キロしかないが、大小合わせて八つほどのアップがあるので、結局、瀬相から北端まで2時間もかかる。途中、道端に大きなガジュマルの木があり、右の幹にはブランコがぶら下がっている。

乗りたかったが、大人が乗って、もし折れたらまずいので、やめる。13時、何とか実久海岸に着き、まずは、大きな東屋でスパムサンド弁当のランチタイム。

東屋の横に、10人乗りぐらいのバスが停まっていて、時刻表を見ると、9時半発瀬相港行きのバスがあるので、明日は、このバスに乗って港まで移動することを思いつく。

トイレの横に無料シャワールームがあるも、冷水しかなく、今日は涼しいのでやめて、近くを散策すると、サンゴを積み上げて作った珍しい塀がある。

適当な石がないので、死んでしまったサンゴを代用したらしい。奥の方の海岸まで行ってみるも、曇っているので、昨日ほどの鮮やかさはないが、波打ち際の水しぶきが綺麗だ。

道路と砂浜の間に、設営できそうなスペースはあるものの、草茫々で、海風も強いので、17時の最終バス発車を待ってから、誰も来ない東屋の中にテントだけ立てる。

夕エッセンは、ピーマンがまだあるので、昨日と同じジャーマンポテトを作り、18時にテントに入って、日本シリーズを観ながら夕食タイム。

昨日はイモが硬めだったので、一度茹でてから炒めたら、甘くてほくほく感が出て正解。気分よく食べていたら、真っ暗になった19時頃、「ここにテントを張ったらダメだ、テントから出て来い」と云われ、出ると、犬を連れたおじさんが、「ここは町のログハウス施設で使用するには町の許可がいる」とか「ここにキャンプするなんて非常識だ」とかネチネチと怒られ、しかも隣の犬にもずっとワンワンと吠えられる。大きすぎる東屋に嫌な予感はしていたが、「テントを張るだけで火は使用しないし、もう真っ暗だし勘弁してください」とお願いして、何とか許してもらうも、一気にテンションが下がる。しかし、こんな田舎町で、他にキャンパーもいないのに、ごちゃごちゃ云われるとは…そう云えば、フェリー乗船時、マスク着用を強要され、下船時も、消毒と検温を強制され、うるさい島だなあ、という印象を受けたことを思い出す。加計呂麻島は入江が多くて積丹のように海が透明度抜群できれいなのかもしれないが、地元民優先で、旅人に冷たい閉鎖的な島だとわかり、プチがっかり。しかし、昼間、最後のピークを越えて、さあ下ろうとした時、草むらに動く黒い物体が目に入り、カメラを構える間もなく、奥に消えてしまったが、背中しか確認できなかったものの、大きさ的に、多分、あれはアマミノクロウサギだ。夜行性で、昼間はいないはずなのに、見られてプチ嬉し。日本シリーズは、山田のスリーランが出て、1―7で負ける。これでオリックスの1分け2敗となる…。

【走行時間2:42 平均速度11.0km/h】

【本日の会計】¥2,789(フェリー往復代¥950含む)

【実久海岸キャンプ評価:29点】

東屋に設営したことは別にして、管理人がいない無料キャンプ場なので、総合評価は低いが、トイレ、シャワーは清潔にされていて、電波状態は良好、東屋もあるので、まあまあのキャンプ場だが、怒られたので、もう来ることはないだろう。


●2022年10月26日(水) 28日目 晴れ曇り 東風

【走行距離39km 獲得標高705m】

実久海岸→バス→瀬相港→フェリー→古仁屋港→宇検

 

昨夕、最終便バスの運転手に、「明日のバスに袋に入れた自転車を積みたいけど大丈夫でしょうか」と聞くと、「全然大丈夫」とのことなので、今日は、港までバス輪行してフェリーで大島へ戻り、宇検(うけん)村にあるお宿まで40キロの旅。9時半のバスなので、6時半に起きて、朝食を済まして、炊事場で朝シャンをする。

自転車をばらして袋に詰め、時間があるので、砂浜へ行くと、太陽に照らされて、「かけろまブルー」の海がやっと見られ、プチ満足。

砂浜には砂の色と同じ小さめのカニさんがいっぱい動いていて可愛い。バスの後ろにスペースがあり、余裕で自転車とバッグを積み込み、出発するも、港まで30分ぐらいか、と思っていたのに、あちこち寄りながら行くので、結局1時間もかかり、港に着いたのは、出航の30分前でプチ焦る。

慌てながら20分で自転車を組み立てて、何とか出航に間に合わせる。

11時半に古仁屋港に着き、まずはランチタイムなので、グーグルで見つけた「とみ食堂」へ。

昔、テレビでやっていた、とんねるずのキタナシュランみたいな感じで、中に入っても、かなりの汚さで、厨房に見える冷蔵庫もシミが付いているので、やめようか、と思ったが、先客が一応いて、焼きそばが500円と安いので、注文するも、キャベツばっかりで失敗…。

古仁屋から今日のお宿がある宇検村までのルートを地図でよく見ると、10個のアップがあり、獲得標高は600mを越えそうである。1時間ほど頑張って進むと、可愛い五枚葉の白いお花が咲いていて、調べると「芙蓉(ふよう)」と云う花らしい。

このあとも度々現れて、心が癒される。大きめの岬を越えて下ると、ドッグみたいなクレーンと門型の建造物が海上に設置されている。

どうも、コンクリート製の橋脚を海上に作る設備のようだ。更にその入り江の向こう側では、トンネルを掘っており、新しい道を作っている。

ここまでも、開通しているトンネルが所々にあって、奄美でも徐々に楽な新道が出来つつあるようだ。坂の手前に丁度自販機があったので、CCレモンを買うも、500ccじゃなく小さめの400ccでプチショック。

なんか騙された気分だ。今日一番のピーク、210mのアップを何とかクリアーして、

下ると、今までに見たことのない気持ち悪い木が!

クリーム色の棒がいくつもぶら下がり、幹の下部はいくつもに枝分かれして地面に突き刺さっている。もしかしてマングローブの一種かもしれないが、プチ怖い…。

港を出て3時間半後の16時にやっと「やけうちの宿」に着き、通常なら一泊12000円もする広くてきれいなコテージへ。

4割引きに加え、3000円のクーポンが付き、実質二食付き4000円で泊まれるので、プチ嬉し。隣接の温泉施設は工事で閉館中なので、部屋のシャワーで三日振りに冷水じゃなく温水で体を綺麗にして、無料のランドリーで二日分の洗濯物も綺麗にする。チェックイン時、食べられない物を聞かれたので、「海老がダメです」と答えると、「奄美は車海老が名物なのでメニューにあります」とのこと…。代わりに、アジとイカの天ぷらが出たが、なんか損した気分になる。

日本シリーズを観ながら、豪華な夕食を完食するも、お腹一杯になる。

第4戦目は1―0で何とかオリックスが勝ち、1勝2敗1分けとする。今日を振り返ると、厳しい道を往復することなくバス輪行できたのは良かったが、それでも獲得標高は700m。これで五日連続の600m超えとなり、ハードな一日となる。加計呂麻島の海も確かに綺麗だったものの、驚くほどではなく、道のハードさを考えると、プラスよりマイナスの方が大きかった気がする…。

【走行時間3:06 平均速度12.5km/h】

【本日の会計】¥9,821(ホテル代¥7,181含む)


●2022年10月27日(木) 29日目 曇り晴れ 東風

【走行距離46km 獲得標高830m】

宇検→県道79→名瀬港

 

今日は、三日前に上陸した名瀬(なぜ)に戻り、明朝のフェリーに備える約50キロの旅。途中、岬をショートカットするトンネルがいくつかあるものの、獲得標高は、今日も600mを越えそうだ。

8時から、特にシャケがうまかった朝食を頂き、10時前にコテージの前で出発ジャンプを決めて、今日最大の標高260mの峠をまず目指す。

ハイビスカスが描かれたカラーマンホールがあり、

峠の途中には、ホンマのハイビスカスも咲いている。

峠道は意外に新しく、勾配も思っていたほど、きつくない。

雲が途切れ始め青空が見える中、宿を出て丁度1時間でピークに着き、案内地図を見れば、宇検村と大和村の村境だ。

ここからは、大島の北側、東シナ海に沿って右上にある名瀬へ向かう。峠を一気に下り、今里と云う集落に近づいた時、右側の草むらに、また黒い物体が!背中とお尻しか見えなかったが、一昨日、見たやつと同じ色で同じ大きさだ。間違いなく、アマミノクロウサギである。

すぐに草むらの向こうに隠れてしまい、写真を撮れなかったのが、プチ惜しい。仕方ないので、ウサギがいた草むらだけでも撮影する。もうほぼ集落に近い場所なので、山奥じゃなく、こんな所でもいるんだ、とプチびっくり。

晴れてきた青空とエメラルド色の海、そしてゴミひとつない綺麗な砂浜をうっとりと眺めながら、海岸線をひとり走る。

海側に展望台があったので、上がってみると、断崖絶壁と透き通った海があり、「徳浜の断崖」と云う場所らしい。案内板には「55年前に崖下に見えるトンネルが開通するまでは、この向こう側の今里地区は陸の孤島と云われるほど、アクセスが大変だった」とある。北海道の積丹半島と環境はよく似ている。

坂を上がると、今度は、群青色の海が緑色の谷の合間から見える。坂道は嫌だけど、高い所から見る海は、違う色になる場合があるので、そういう意味では海岸線の適度な坂も悪くはない。

道脇のボードには「ワナ師はワナ1本1本に名札をつけ定数の30個を守ること 鹿児島県猟友会大嶋支部」と書いてある。奄美大島にはイノシシやシカなどの大きめの動物はいないので、ハブを捕らえるワナだろう。そう云えば、途中、路上に潰れている蛇が複数いたけど、あれもハブだろうか、プチ怖い。大金久と云う集落に入ると、岬の先に、丸い穴が空いた奇岩が見える。

「トゥルス岩」と云って、「通れる穴がある岩」という意味らしい。穴の上部に鬼のような角があるも、15年ほど前の長雨で天頂部が崩れ落ち、このような形になったらしいが、これはこれで二頭の恐竜がキスをしているように見えて面白い。「奄美フォレストポリス」と云うキャンプ場もある自然公園へ行く分岐に、自転車とアマミノクロウサギとカエルを描いた変わった標識がある。

「シェアザロード」とあるので、「道路上の自転車や生き物に注意してね」ということだろうが、ユーモアがあってよろしい。峠をほとんどカットしてくれる長いトンネルを抜けて、大和浜と云う集落に入ると、縄文式みたいな建屋がある。

高倉と云う屋根の部分に穀物などを貯蔵する高床式倉庫で、それが幾つもあるのを「群倉(ぼれぐら)」と呼ぶらしい。

斑模様の澄んだ海が見え、グレーになっているところは、多分サンゴ礁で、サンゴに付いた藻が大好物のウミガメさんもいるかもしれない。湯湾釜(ゆわんがま)と云う集落には、電信柱と水車が並ぶ池があり、多分、車海老の養殖場だろう。

このあと、知根小学校の前にも同じような池があったので、小学校の門の向こう側で草むしりをしているおねーさん先生に聞くと、やっぱり車海老を養殖している、とのこと。

ここからは、地図に載っていない新しい長いトンネルが二つ続き、なければ、ぐねぐね道を上るしかないところだったので、メチャ助かる。

名瀬の町に入る手前に、やっとコンビニがあったので、ファミマの手作り玉子スパムサンドを立ち食いしてから、名瀬港近くの日帰り入浴できる奄美ポートホテルへ。チト高めの1000円を払い、脱衣所に行くと、腕に刺青しているにーちゃんがいて、更にお風呂場には、全身刺青のメチャ怖そうな中年おじさんが!まだ16時前なのに…プチビビる。思うに、港湾業者の社長と部下で、仕事を終えて来たのだろうが…。しかし、風呂場から上がると、全身刺青男が全裸でソファーに座り、フルチン状態で電話をしているではないか。もう、ほぼヤクザなので、早々に出たかったが、晩飯にはまだ早いので、脱衣所兼休憩室の畳にひっそりと座り、缶ビールを静かに飲む。

買い出しをして、クーポン券が使える居酒屋「かめ」に入り、ジーマーミ豆腐、沖縄もずく、豚骨など、ほぼ沖縄料理を注文。

そして、このお店の人気料理ポテサラを頼むと、大きめのお皿に、半熟卵、ベーコン、チーズがポテサラに載っていて、ボリュームたっぷり。

日本酒がないので、仕方なく、奄美黒糖焼酎「竜宮」と「稲乃露」をロックで呑みながら、日本シリーズを観る。

黒糖焼酎もなかなかいい味と香りである。クーポン券4000円プラス1000円を払い、得した気分でお店を出る。明朝6時のフェリーに乗らなければならないので、ホテル泊はやめて、近くの公園にテントを張ることも考えたが、フェリーターミナルの2階に、仮眠できそうなスペースがあるので、19時半にターミナルへ。そのスペースの横にコットを組み立てて寝るも、20時半発のフェリーが出たあとの21時、警備員に「入口を締めるから出るように」と云われる。仕方ないので、閉められた入口の外に移動してコットに座りながら寝酒のウイスキーを飲んでいると、また警備のおっさんが来て、「そこも建屋内だから外へ出て行け」と冷たく言われる…。仕方ないので、階段を下りて、外へ出ると、雨がポツポツ降っている…。テントにしなくて正解だったが、建屋横の屋根のある自転車置き場にコットを敷くも、道路から丸見えなので、騒音がうるさいし、プチ怖い。あの警備員も仕事なのはわかるが、旅人に冷たすぎるわ、と雨と同じ気持ちになりながら、浅い眠りにつく…。日本シリーズは、吉田選手がソロとツーランホームランを打って、オリックスが6―4でヤクルトにサヨナラ勝ち。これで2勝2敗1分けの五分になる。奄美大島と加計呂麻島の四日間の旅を振り返ると、シーズンオフとは言え、サイクリストやバイクの旅人に一人も会わず、泊まったキャンプ場はいずれも完ソロで、プチ心細かった感は否めないが、アマミノクロウサギの背中を二回も見られた点は良かった。ギザギザの道は想定通りハードだったが、新しいトンネルに何度も助けられたので、その点は良かった。今回いけなかった奄美大島の北部地区は、いずれ行きたい気持ちもあるが、地元民に2回も怒られて冷たくされたので、気分的には「もういいかな」って感じ。

【走行時間3:46 平均速度12.2km/h】

【本日の会計】¥3,554(呑み代¥1,050含む)


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